yuitamura

大学3年、休学中にデンマークで考えたこと。

2019/02/28

 

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vinterdråbe、英語ではスノードロップ

下を向いた、白い小さな花が力強くあちこちに咲いているのを目にした

冬が明けて、一番はじめに咲く花、らしい

 

そういう事に詳しいデンマーク人、さすがだなあ、と改めて感心する

きっと生まれてから当たり前のように

季節を、丁寧に享受する生活をしてきたんだね

 

冬はクリスマスに向けてオーナメントを手作り

夏はベリーを積んでジャムを作り

また林檎を木から積んでアップルパイやジュースを作る

そういう、季節の変化を摘む、楽しみ方をしている

 

 

気が付けば、日本へ帰るまでの

カウントダウンが始まっていて

 

此処へ来た頃は

あと何日で帰れる、家族や友達会える、と

密かに、カウントダウンのカレンダーを見て元気を出していたものだけれど

 

最近では

もうこれしか残されていないのか、という気持ちで

恐る恐る、確認するようになった

 

 

理由のひとつは、単純

ユイ、ユイと心地よく名前を呼んでくれる友人が沢山、増えた

 

孤独だったあの頃は

まだ、記号でしかなかったデンマーク語の海に漂うようで

毎日毎日、修行のように

自分の声と対峙し、考え、自分のペースで動いていた

孤独を愛す、ということについて考えながら

 

孤独であることは、決して

わたしにとってマイナスにはならなかった

日本に留まっていたら、なりえなかった状況を

自分にとって、どうプラスに転じることができるか

どう考えて生きたらよいか

そういう風に、考えていたから

 

孤独を愛するよう、意識しはじめてからは

自分の感性がよく働いて

心根からくる意思が聞こえてくるような感覚があった

 

もうひとつ大きい成果といえば

精神的に自立するコツ、のようなものを得た

言い換えれば、ひとりで居ることを怖がらなくなった

 

周りの目を気にしすぎる、ということが

わたしの、かつてからの弱点

今思えば、狭くて均質な、学校という環境が

そんなわたしを形作ったのだと思っているけれど

それは、変えようのない事実で

変える事があるとするならば、今なのだと気付いた

 

デンマークの人たちは、さっぱりとした個人主義

びっくりするほど、周りに興味がない

 

その上彼らには

人は違って当たり前という前提がある

だから、人との差異は基本的に受け入れるし

他の人が何をしていようと、自分は自分

といった感じ

 

そんな環境は、自分を変えるにはもってこいだと思った

 

ひとりで行動することを、気にしない度胸

それを身に付けて帰ることができたら、わたしはここに来た意味がある

そういう気持ちで過ごしたのが

最初の一ヶ月

 

その結果、

だんだんと同じようなペースを待つ人たちが分かり、仲良くなってゆき

本当の意味での孤独では、なくなった

 

ハイ、ユイ、と気軽に話しかけてくれる友人がいるというのは

やはり居心地のいいもので

あの頃より何倍も、リラックスして暮らせているのが分かる

 

結局、何かを変えるには

ほんの少しの、意識の積み重ね

 

孤独を愛することを知ってからは

自分のペースという地盤が固まって

ひとに流されることがなくなったけれど

 

日本に帰って、自分を取り巻く環境が変わっても

そう在れるのか、というのは

最近よく考えることだ

 

そうで在りたい、と思う

けれど環境に規定される部分は、想像以上に大きい

だから、帰国までもう少しゆっくりかけて、意識的に

修行を続けて、いきたいな